
「日本寺」は千葉県安房郡鋸南町にある曹洞宗の寺院です。境内には「千五百羅漢」と呼ばれる1,553体の羅漢像が安置されていますが、これは江戸時代後期に石工・大野甚五郎英令が門弟27人と共に21年の歳月をかけて彫ったものです。ただ、明治時代の廃仏毀釈のため多くの石像の首が刎ねられており、痛々しい姿で現存しています。
日本寺の境内を散策しながら千五百羅漢を眺めていたら、少し離れた所にポツンと1体の羅漢が横たわっているのを見つけました。よく見ると手足がもげており、直立することが出来ない状態です。首も一度切り落とされて付け直した跡があります。ただ、この羅漢像は眼光が鋭く、横たわりながらも1点をじっと見つめている姿がとても印象的だったので、困難に立ち向かって前を向くイメージを表現できないものかと、あれこれと構図を考えて撮影しました。タイトルの「堅忍不抜」とは「意志が強く、困難に屈することなく、じっと耐えて心を動かさないこと」という意味ですが、そこにこじつけるのは、ちょっと無理があったかもしれません。(^^;