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執筆者の写真Tatsuo Muto

燕岳 優美高妙


「燕岳(つばくろだけ)」は長野県安曇野市にある標高2763mの山です。別名「北アルプスの女王」と呼ばれており、花崗岩の岩場が印象的な美しい山の姿と、燕山荘という人気の山小屋が併設されていることや、表銀座縦走路の拠点の一つであることから多くの登山家で賑わっており、山小屋は勿論、テント場も予約制で、ハイシーズンに予約を取るのは至難となっています。

 私が訪問した時は天気予報が悪い方向にブレたため生憎の空模様で、到着した日は燕岳の山頂付近はガスの中。しかも夜半過ぎから雨が降ってきました。ただ、こういう時こそ特別なシチュエーションの写真を撮るチャンスなので、明朝は晴れるという天気予報を信じて夜明けを待ちました。果たして翌朝にテントから抜け出して辺りを見渡すと、期待した通りの印象的な空模様。心の中でガッツポーズです。前日のロケハンであたりを付けていた場所に三脚を設置して、朝日が山肌を照らしたタイミングでシャッターを切りました。

 ちなみに表題の「優美高妙」は、「品格があり、美しく優れた特性を持つ」という意味です。燕岳を訪問するには「合戦尾根」と呼ばれる北アルプス三大急登の1つを登らなくてはなりませんが、その苦労に見合うだけの美しい山で、実際に訪問して多くの登山家を魅了するのに納得した次第です。 


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